黒い斑点部は超硬金型表面に長時間付着した水滴の影響により金型の表面部でWC-Co超硬材のＣｏ相のみが腐食・溶出して、部分的に脱落し、斑点となっていました。金型の取り扱い時の水分の付着について、注意をいただくよう説明を行い、対策していただきました。耐腐食の組成設計がされていない超硬材種などでは、長時間の水滴付着だけでも腐食を起こす場合があります。本件の様な腐食によるCo相の脱落部については、使用時に応力が集中する箇所や、衝撃的負荷がかかるような使用環境においては、破壊起点となって金型の破損につながる場合があります。当社の超硬材種については添加成分や、結合相金属などの組成設計の工夫により、腐食影響を抑制する材種のラインナップを多数取り揃えていますので、水分影響が不可避な条件等においては材種変更により対応可能な場合があります。