Technical Information and Technical Column
超硬合金の用途とは?どんなところで使用されるの?メリット・デメリットや製造方法、系統について解説
ダイヤモンドに次ぐ硬さの超硬合金は、素材の特性を生かしてさまざまな用途に使われ、私たちの生活を支えています。とはいえ名前は聞いたことがあっても、いったいどのような素材なのか、詳しくは知らないという方もいるでしょう。本記事では、超硬合金の特徴やメリット、どのようなところで使用されているかを解説します。
目次
超硬合金はどんな金属?
超硬合金は日常であまり聞くことのない金属ですが、実は自動車や電子機器部品の製造など、生活を支えるさまざまな用途で使用されています。
超硬合金は非常に硬い金属で、ステンレスよりも硬度が高く、ダイヤモンドの硬さに近いのが特徴です。また金と同じ程度の比重で、鉄の倍の重さがあります。さらには高温時に摩耗や変形が起こりにくく、強度も優れていることから、幅広い分野で使用されている素材です。
超硬合金の使用例としては、工具のドリルが挙げられます。一般的な硬度の金属でできたドリルでは、より硬いものに対して使用すると摩擦熱が発生し、ドリルの温度が上がっていきます。その後は変形し、最後には折れてしまうでしょう。その点、ドリルの素材に超硬合金を使用すれば、たとえドリルが高温になっても硬度が低下しにくいため長く使用可能です。このように超硬合金は、素材の特性を生かしてさまざまな工具や金型で使用されています。
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超硬合金のメリット・デメリット
超硬合金は金属や非金属の切断、加工などに使用される工具鋼と比較すると、以下のようなメリットがあります。
- 摩耗が起こりにくい
- 変形しにくい
- 熱による膨張が小さい
- 熱がこもりにくく加熱による変形がない
- 腐食しにくい
以上のメリットから、高速の切削が可能で工具が長持ちするため、主に切削工具として使用されています。また、硬度が高く熱に強い特性から自動車部品製作や、各種耐摩耗ノズルとしても、幅広く使われています。
一方で、超硬合金は硬い素材のために加工しにくく、欠けやすい点がデメリットです。
超硬合金の製造方法
超硬合金は1923年にドイツで開発された人工合成物質です。主にタングステンという材料の粉末に、コバルト結合剤を混ぜて作られます。タングステンの融点は2,900度と非常に高いため、製造の際は材料をプレスして焼き固める「粉末冶金法」という方法を用います。
なお焼き固める際はコバルト結合剤の配合を変えたり、他の素材を入れたりして、用途に合わせた超硬合金を製造可能です。1,300~1,500度の高温で焼き固めることにより、超硬合金特有の硬さや特徴が生み出されています。
超硬合金の3つの系統
さまざまな分野で使用されている超硬合金は、大きく分類して次の3つの系統に分けられます。
- 超微粒子合金
- 微粒子合金
- 一般的な超硬合金(耐摩耗・耐衝撃工具用)
それぞれの特徴や、どのような場所で使用されているかなどを解説します。
超微粒子合金
超微粒子超硬合金は名前のとおりタングステンの粒が小さく、主に切削工具やシャープエッジを必要とするプレス金型部品として使用されています。また、さまざまなもの切断する工具として優れており、セラミックシートのような硬い素材に対しても活用されています。一般的な刃物用スチールと比べ、寿命が長い点が特徴です。
微粒子合金
微粒子合金は、プレス加工機や切断機などに搭載されています。カッターやローラー、プレス金型用部品として使用され、耐摩耗性・耐ピッチング性に優れている素材です。
一般的な超硬合金(耐摩耗・耐衝撃工具用)
一般的な超硬合金は粒が荒く、耐摩耗・耐衝撃工具用に使用されています。一般的な超硬合金は硬度が高く、耐摩耗性にも優れているため、圧延ロールなどに適しています。
超硬合金が使用されるのはどんなところ?
超硬合金はどのような場所で使用されているのでしょうか。身近なところでは飛行機や自動車、医療や電子機器製造などで、私たちの生活を支えています。また土木や建築などで、工具として使用されている素材です。超硬合金がどのような場所で使用されているのか、具体的に解説します。
飛行機や自動車
超硬合金は、飛行機や自動車を製造するための工具として使用されています。飛行機で使用する材料の切断や穴あけ、精密な部品を製造する際の工具や金型として用いられています。自動車でもエンジンやトランスミッション、タイヤやネジまで、さまざまな部品を製造する、金型や工具として使用されており、身近な存在です。
土木や建築
土木や建築工事の分野でも、超硬合金は活躍しており、間接的に生活を支えています。土木工事では、トンネルや路面の掘削で使用する、工具の刃先として使用されています。具体的には、トンネル用ボタンビットや、シールドカッタービットです。また都市開発用にも地面を掘削する工具の刃先で使用されており、掘削する場所の硬さにより、さまざまな種類の刃先が超硬合金で作られています。
医療
超硬合金は病院やクリニックにある、さまざまな医療機器の部品を製造するための、金型や工具としても使用されています。精密な部品製造に使える点は、超硬合金のメリットの一つです。医療機器にとどまらず、薬剤から包装まで、薬の製造過程で使用される機械の金型や工具、紙や布、樹脂フィルムを切断する刃物などにも使用されています。超硬合金は医療を含めたさまざまな面で私たちの生活を支えている素材です。
電子機器
超硬合金はパソコンやスマートフォン、さまざまな電子機器の製造にも貢献しています。具体的には、電子機器で使われている電池・モーター・半導体・スイッチなどを製造する際の金型や切断工具として用いられています。
超硬合金で作られた金型や切断工具は、製造する部品に合わせた材料を使うことで、電子機器の大量生産を可能とします。製品の部品としても使われており、電子機器の製造に役立っています。
鉄鋼や圧延
超硬合金は鉄鋼の製造で、ロールや切断の工具として使われています。また、製造した鉄を薄く伸ばす際の、圧延工具にも使われている素材です。鉄鋼は自動車・ガードレール・ワイヤーなどさまざまなシーンで利用されています。
【超硬合金加工】エバーロイ商事株式会社の5つの強み
超硬素材・超硬加工ソリューションナビを運営しているエバーロイ商事株式会社は、顧客からパートナーとして評価され続けています。
エバーロイ商事株式会社が選ばれる理由は、主に次の5つです。
- 素材選定から製品提供まで一貫して対応できる
- ヒアリングによって最適な素材を選定できる
- 豊富な実績・ノウハウから開発を支援できる
- 精密加工ができる加工設備
- 大物超硬加工にも対応している
素材選定から製品提供まで一貫して対応できる
エバーロイ商事株式会社は超硬合金の開発・素材選定・加工・製品提供まで、一貫して対応できる点が大きなメリットです。超硬素材のメーカーの域を出て、特注の超硬合金のメーカーとして評価されています。顧客が持つ悩みを解決するために、今までのノウハウや技術を生かし、超硬合金の製品を製造しています。全ての工程を一貫して対応できるため、顧客の要望に合わせた超硬素材の開発も可能です。
ヒアリングによって最適な素材を選定できる
エバーロイ商事株式会社は、顧客から丁寧にヒアリングした悩みや要望から、最適な素材を選定できる点が強みです。超硬合金はさまざまな種類があり、顧客の希望する製品を開発・製造するためには、繰り返し問題解決と改善をする必要があります。エバーロイ商事株式会社は、X線回折装置・元素分析装置などを使用した分析を中心に、さまざまなテストにより、問題点や改善点の解析が可能です。その上で顧客に最適な素材を選定できる点が評価され、選ばれ続けています。
豊富な実績・ノウハウから開発を支援できる
エバーロイ商事株式会社には、これまで顧客の悩みを解決し続け、多くの素材や製品を開発してきたという実績があります。既存の素材や製品では対応できない場合、顧客の要望に合わせた新素材・新製品を開発する必要があります。新素材や新製品を開発するには、確かな技術や豊富なノウハウ、問題解決能力が必須です。エバーロイ商事株式会社には、それらの必要な要素や環境がそろっている上に、難しい問題を解決していく社風もあり、充実した顧客のサポートができます。
精密加工ができる加工設備
技術やノウハウがあっても、超硬合金の製造には充実した加工設備が必要です。エバーロイ商事株式会社は、通常では難しい素材の加工ができるほどの設備がそろっており、顧客の要望に答えています。精密加工に必要な、放電加工機や流体研磨機などの設備を保有しているため、加工技術の高さが強みの一つです。また、加工後にはビデオ測定顕微鏡・万能投影機での検査を行い、高品質を保証しています。
大物超硬加工にも対応している
超硬素材メーカーでもあるエバーロイ商事株式会社は、大物超硬加工に対応しているメーカーです。大物超硬加工は、加工ミスによるリスクがあり、コストが読めないために、加工できるメーカーが希少な傾向があります。エバーロイ商事株式会社は、最適なコストで大物超硬加工に対応できる上に、豊富な実績やノウハウ、高い技術で製品を製造できます。
超硬合金は生活を支えるさまざまな用途・場所で使用されている
超硬合金は、一般的に広く名前を知られてはいないものの、生活を支えるさまざまな用途・場所で使用されています。非常に硬く、摩耗や変形がしにくい特性から、飛行機や自動車、電子機器で使用する部品を製造する、工具や金型として貢献しています。
エバーロイ商事株式会社はプレス加工機をはじめとした、多くの設備の課題を解決してきた会社です。超硬合金製品のお悩みやご相談がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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