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技術情報・技術コラム

モーターコア金型の長寿命化とは? 事例を交えながら解説します

超硬素材の選定・開発から超硬加工のことならエバーロイへご相談ください

モーターコア金型の長寿命化事例

近年自動車業界を中心に活発な動きのあるモーターコア製造について、超硬の正しい選定による長寿命化事例をご紹介します。

モーターコア金型の長寿命化事例

モーターコアと超硬合金の関係

モーターコアは、電動モーターや発電機の中心部を構成する部品で、電磁誘導による効率的な電力変換を可能にするための重要な要素です。通常、ケイ素鋼や電磁鋼板などの材料で作られています。
超硬合金は、モーターコアの製造工程で使用される工具や金型の材料としてとても重要です。
モーターコアの形状を高精度に加工するためには、非常に硬く耐久性のある工具が必要であり、超硬合金が最適とされています。

超硬合金の特徴

超硬合金は、主にタングステンカーバイド(WC)を主原料とし、結合層であるコバルト(Co)と混合し、焼結した材料で、以下のような特徴を持っています。
  • 【高硬度】:非常に硬いため、耐摩耗性が高く、長時間使用しても摩耗しにくい。
  • 【高強度】:加工中の高い負荷に耐えるため、工具や金型の寿命が長い。
  • 【耐熱性】:高温下でも性能が維持されるため、高速加工や高精度加工に適している。
  • 【寸法安定性】:高精度の加工を可能にし、モーターコアの形状を正確に製造できる。

モーターコア製造における超硬合金の役割

モーターコア製造における超硬合金の役割

モーターコアは、薄い電磁鋼板を積層して形成されるため、鋼板を打ち抜くプレス加工が重要な工程です。
プレス金型には、鋼板を高精度で打ち抜くために、高硬度で摩耗しにくい超硬合金が使用されます。
超硬合金を使用した金型は、加工時の摩耗や変形を最小限に抑えられるため、工具の交換頻度が減り、生産効率が向上します。

モーターコア製造に適した超硬合金の種類

モーターコア製造向けのツールに使用される超硬合金は、一般的な超硬材料である、当社ではG3やG5などを使用することが多々ありましたが、電磁鋼板のプレス加工時にしばしば発生する欠けやチッピングが課題でもありました。
そこで、当社では電磁鋼板打ち抜き用としてEW種超硬合金を開発し、モーターコアのプレス加工において大きな成果をあげています。

同一硬度の材種と比較した場合、破壊靭性値が相対的に高くなるように設計されており、硬度を落とすことなくクラックやチッピング、欠け予防やその改善が見込まれるようになっています。
また、耐食性にも優れる材種のため、長時間水ワイヤー加工を行う環境下であっても、その能力を落とすことがありません。

当社材種記号 Co量 [%] 硬度 [HRA] 破壊靱性値 [MPa・m½]
G3 8 90.0 18
EW25 11 89.5 22

モーターコア金型用超硬材種

当社では電磁鋼板打ち抜き金型用超硬として、EW種を3種類保有するだけでなく、電磁鋼板カシメ用としてもEX種を保有しています。 組成設計を被加工材の特長や問題点にフォーカスして開発しており、モーターコア金型の長寿命化を図れる材料として非常に好評です。

エバーロイのサービス

超硬素材・超硬加工ソリューションナビでは、お客様のお悩みに対して、徹底した原因分析を行います。
そこから浮かび上がる課題に対して、最適なご提案をいたします。
当事例は超硬の材種選定を行ううえで、被加工材に対しての特長や課題をつかみ、最適化された成分設計で超硬を開発し、金型寿命を延ばすことができた事例です。
お客様それぞれが抱える課題の解決を、超硬の開発から取り組んでまいりますので、ぜひ当社までお問い合わせください。

超硬素材の選定・開発から超硬加工のことならエバーロイへご相談ください

この記事を監修した人

エバーロイ商事株式会社

大久保 文正

エバーロイ商事株式会社

昭和33年の設立以来、長年にわたり超硬工具の販売。
その製品はエバーロイの名で、広く多くのお客様からご支持をいただいております。
技術革新の激しい時代の中、お客様のあらゆるニーズに対応すべく、製販一体となって当社のオリジナリティを生かした営業活動を推進して参ります。

超硬素材・超硬加工 ソリューションナビを運営するエバーロイは、
素材選定・開発~精密加工、完成品提供までの一貫したソリューション提供により、
皆さまの課題を解決します。

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